水族館で働きたいあなたへ「今やっておくべき7つのこと」

鮮やかな姿で美しく泳ぐ魚たちや華麗なジャンプで観客を魅了するイルカ。

世界中の海、そして川を再現している水族館で、

大好きな生き物たちに囲まれながら飼育員として働きたいと思う方は

少なくありません。

 

こどもの頃に訪れた水族館で飼育員やトレーナーさんのかっこいい姿に憧れ、

その夢を追い続けている方もいらっしゃるでしょう。

しかしこの世界はとても狭き門。

限られた人しか働くことができない場所です。

 

一昔前だと、「高卒より大学や専門学校卒の方が採用されやすい」とか、

「学芸員資格やダイバー免許がないと不利だ」などと言われたこともありましたが、最近はこうしたこともあまり関係がない傾向にあります。

 

そもそも採用数に限りがあるところに受験者数が格段に多いため、

運やタイミングに左右されるのも事実。

 

そんな狭き門を潜り抜け水族館で働く人たちに、

採用されるため具体的にどんなことをしたか聞いてみると、

「どんな努力や勉強をしたか?」というよりも、

「なる前にやっとけば良かった!あんなこと、こんなこと」の話に

話題が移っていくことが意外とよくあります。

 

その話の本質というと、就活ガイドやネット情報で見かける

「水族館で働くには」に載っているマニュアル的な情報源に、

あまり書かれていない本音が隠れているようです。

 

そんなわけで、水族館で働きたいみなさんへ。

ちょっとマニアックな視点から「やるべきこと7つ」をまとめてみたので

ご紹介したいと思います。

 

やっておくと役立つ5つのこと

いつでも、どこでも、眠れるようになる

水族館の飼育員は、とにかく体力と気力が勝負のお仕事です。

野生生物のお世話をする仕事には、ルーティーン通りに過ぎる日なんて

一日たりともありません。

そんな中で、ほんの少しの時間でも瞬時に眠ることができる人!

そんな人は体力を回復できるのです。

パワフルに働いている飼育員を見ていると、

ほんの一瞬でもスキマ時間に睡眠を取っています。

昼食や休憩後の3分弱であっても、あっというまに夢の中へ…。

それはまるで、気絶同然。

しかしこうした瞬間芸ともいえる睡眠で、

心もカラダもリセットでき、また生きものたちとパワフルに働きはじめるのです。

忙しい水族館で働くには、

上手な「瞬間睡眠」が取れるようになっておくと良いですね。

冷え症なら改善し、「高体温」な人になっておく

水族館の仕事は、水や氷、冷気と共に生きる仕事です。

寒い冬でも、生きものによっては一日中低温の中で作業することも少なくありません。また日々の餌に使用する魚の多くは冷凍保存されていて、

その取扱いで冷凍庫内での長時間作業も日常です。

そのため、特に女性の場合は冷え症が悪化し、

低体温の体質となり妊娠しにくい身体になってしまう飼育員も。

最近では若い男性でも低体温が増えており、

そんな体質で働き続けると健康を失う恐れもあるのです。

 

もし飼育員として働きたいなら、

今からでも体温を上げる日常習慣を身に付けておきましょう。

まず今からできることは、日頃から冷たい物をガンガン飲まず

常温の飲み物を摂ること。

また女性に多い過剰なダイエットも低体温を悪化させます。

水族館で働きだした時に辛くないように、

高体温な体質づくりを今から実践しておきましょう。

「他人の長所を見つけること」を趣味にする

水族館という職場は、一般的な事務や営業といった仕事とは一味違う

人間関係の中で成り立っています。

働く人間通しの物理的・精神的距離が、とっても近いのです。

 

衛生上、仕事上がりに入浴は欠かせないため、いわゆる裸の付き合いです。

同じ生き物を担当した場合は、生き物の毎日の状態を密に連絡し合いながら、

意見を合わせ、時にはぶつかりながら生き物の健康を一緒に守ります。

道具の使い方、えさの切り方、生き物との接し方など、

それぞれの癖や方法が違う中で、それを互いに受け入れる事が

トラブルを避けるポイントでもあります。

また危険業務も多いこの職場は、

相方を信じることで自分の命を託すような場面もあります。

 

人間は厄介な一面があり、仲間であっても密着になりすぎると

その相手の欠点が必要以上に気になってしまうところがあります。

そんな時に、視点を変えて

相手の良いところや尊敬できるところを見つける眼を持てるなら

良好な人間関係維持に、ダイレクトにつながります。

 

そして何より、職場内での良好な人間関係が、

生き物の健康維持の大切なベースなんですよね。

円満な家庭環境で元気な子が育つ!という感覚とちょっと近いかもしれません。

 

 

小難しい話でも、わかりやすく話せるトークスキルを養う

水族館の飼育スタッフは、生きものたちと来館者との間をつなぐ

インタープリターです。

飼育員は毎日お世話しながら、また文献などで研究しながら

その生きものが持つさまざまな特徴や魅力を理解した上で、

来館者へわかりやすく、共感をもってもらえるように

楽しく解説するという重要な役目を担っています。

 

難しい専門用語や、長々と難しい話では

小さなお子様からお年寄りまでさまざまな客層に対応できません。

普段から、「難しいことでも、簡単に簡潔に、解説する」トークスキルを

意識しておきましょう。

頭の中で、言葉の置き換えゲームをしながら話す感覚で!

 

「楽しいお酒」ができるようになる

「お酒を飲めるようになりましょう」ということでは決してないのです。

飲めるか飲めないか、ということではなく、

そういう場も自分自身の勉強や気づきのチャンスとできるか?なんですよね。

もう一度念のために。お酒が苦手でも良いのです。

 

たとえお酒が飲めなくてもその場で楽しく過ごせるようになれは、

役立つ情報に触れる機会が格段に増えるはず。

先輩からワザを伝授してもらったり、昔起こったあれこれを、

こんな時こそたくさん聞かせてもらいましょう!

 

もし晴れて飼育員になったとき、

海外の水族館スタッフとコミュニケーションを取るときも、

コトバがなくてもすんなり溶け込めるきっかけがお酒だったりするのも、

よくある話なのです。

 

必ずやっておきたい2つのこと

「なってからやりたいこと」を常に考える

水族館で働くこと「自体」を目標にしてはいけません。

ちょっときつい言い方ですが、

なることが目標だと、生き物たちに失礼とも言えます。

 

水族館で飼育している生き物は、自然界から預かっている野生生物です。

その生き物たちをより良く飼育し、研究することで保全を行い、

絶滅の危機を何とか回避しようと努力し、

命の大切さやすばらしさ、保全の必要性を来館者に伝える使命が

水族館で働く人にはあるのです。

 

「生き物が好きだから・毎日珍しい生き物と接していたいから」

それだけの理由で水族館で働きたい方は、どうかならないでください。

それならご自宅で飼育を楽しみましょう。

 

「自分はなぜ生きものを隔離して飼育し人々に観てもらう水族館という場所で

仕事をしたいのか、そこでやるべき自分の目標」、

をどうか明確にしてください。

 

水族館で暮らす生き物たちの命をより輝かせ、

その生きものが幸せな一生を全うできるために、

生物の多様性を守るためにやるべきことは何なのか、

自分のやるべき使命を考え続ける姿勢と習慣を

しっかりと身に付けておくことが大切です。

 

この仕事に就く、それはゴールではなくスタートラインです。

 

「誰にも負けない何かひとつ」を身に付けておく

○○に関してはとことんやった!

△△なら誰より詳しい自信がある!!

 

水族館に関することでなくてももちろん良いのです。

実はこの「達成した、やりきった、かなり詳しい!」という自信が

水族館で働く上での、支えになります。

芸能人のおっかけでも、スイーツマニアでも、多肉植物収集でも、旅行でも、

とにかくとことん突っ込んで追求した経験は、思わぬ形で生かされます。

昔からマンガ好きで、自分でも描いていたという水族館スタッフ。

お客様にガイドをする時に使用するパネルは

サラサラとプロ並みに作ってしまえるそうです。

韓流ドラマにハマって、いつの間にか話せるほどになってしまったスタッフ。

韓国からの団体客が入館された時は、スムーズな誘導に一役買っているとか。

 

自分のスキルが、飼育以外の場面でも水族館業務を支える事ができる。

それってすばらしいことですよね。

最後に

ここまで、水族館飼育員を目指すならやっておくべき7つをご紹介してきました。

共通しているのは、どれもテスト対策の様に短期集中・詰め込み型で頑張れば

結果が出る、というものではありません。

日ごろから意識し、少しずつ身に付けていくような習慣的なものばかり。

しかも、ある程度の時間も必要です。

更に言えば、この7つをクリアしたからといって

「必ず水族館で働けるよ!」という保証は、もちろんどこにもありません。

 

先ほども書きましたが、基本的にこの業界では退職者が少ないため、

正社員募集もあまりないのが実情です。

求人情報をいち早く知るために、実習やインターン受け入れに参加しておいたり、

バイトやボランティアとして水族館に関わっておくと

チャンスは増えるかもしれません。

しかし、それでもなれない人のほうが圧倒的に多いのです。

 

ただ、ここでご紹介した7つのこと…、

実はこの「やるべきこと」はどうやら水族館に限ったことではないようです。

「働くこと」を考えた時、おそらくどの業界に入っても通用する要素が

含まれている、と読むこともできます。

世界を代表するブランド「シャネル」を生み出したココ・シャネル。

彼女は仕事・働くことについてこんな言葉を残しています。

 

「お金が欲しいという欲望から始まって、次に働きたい意欲にかられる。

そして働くことは、お金それ自体よりも、もっと強い興味の対象となってゆく。」

世の中には、好きなことや夢だった職業を仕事にしている人ばかりではありません。

 

生きていくために必要なお金を得ること。

そのためにはやりたいことかどうかなんて言っている場合ではない、

という人だってたくさんいます。

 

けれど、その仕事の中で何を見つけ、情熱を注ぎ、どんな働き方を選ぶかは、

その人自身の心の持ち方一つで大きく異なってきます。

シャネルの言うように、考え方の角度を変えれば

働くことそのものが、いつしかお金以上の強い魅力に変わることだって、

誰にでも起き得るのです。

 

このコラムを読んでくださったあなたが、

もし水族館の飼育員になれなかったとしても、

それでもこの7つのやるべきことを思い出したときに、

何かの気づきにつながれば…、と願っています。